「あっはっはっ! レイちゃんは城から来る度にいっつも食べに来てたからね」
年寄りとは思えない若々しく元気な笑顔だ。
「あらっ、レイリア様だわっ!」
「レイ様ー!」
「レイじゃーん!」
このシャーベットを売る店は人通りが多く、かなり目に入る。
気が付けば、老若男女…沢山の人がレイの元に集まってきた。
「まったねー!」
沢山の人と別れてから二時間経った。
この場に残ったのは俺だけ。
「あれっ、皆は?」
「自由行動。 三時間後にここ集合となったぞ」
「そっかぁ。 じゃあ二人きりか」
――ドキンッ
「……そ、うだな」
素っ気なく言われた"二人きり"の言葉に変に意識してしまう。
「行こっか」
ニコッと笑い俺の手を掴み、歩き出した。
おばさんがその様子を楽しげに見ていたとは知らずに。