――――……
「ちょっとクリル、これはないって!!」
「なんでぇ? 似合ってるのにぃ」
レイの悲鳴に近い声とヘラヘラと笑っているクリル。
事は数分前、レイとダァチさんの朝食が終わったときだった。
「今日さ、イースター国の城下町に行かない?」
レイが唐突に言ったのだ。
「なんで急に?」
マリーヌが聞くと待ってましたと言わんばかりの明るさで、
「最近、皆さんイライラしてるようで。 レミリアの事は少し頭の隅に置いといてさ!」
両掌を少し離した状態で真ん中からずらす動きをする。
「……あたしイースター国出身だからレミリアだけではなくて国の良さを知って欲しいんだっ」
ニコニコ笑っているが、顔が引きつっている。
`……。´
……今は触れて欲しくないんだろうな。
「……わかった、行くよ」
「!」
俺の言葉に目を見開いていた。