〈side. Ryuki 〉
この国に来て数週間が経ち、"千年の儀"まで1ヶ月となった。
俺はこの頃からレイとダァチさんの剣のやり合いを見るのが日課となり……、
と言うより、審判役として起こされている。
初めは、何でもありだったのに今となっては剣だけを使うようになった。
魔法書や剣を俺に押し付けて。
「……重い」
黒剣を手に独り言のように呟く。
ダァチさんスゴいよな。
こんな重いの振り回すなんて。
「たぁ!!」
――カァーンッ
日が経つにつれてレイの剣の腕が上がっている。
それにより、ダァチさんが押され気味だ。
このままいくとダァチさんに勝つんじゃないか?
――バカンッ
「……えっ!?」
レイが持っていた木の剣の先の部分がバッキリと折れた。
「……降参する?」
ダァチさんが木の剣を肩に付け、ニッコリと笑った。
押されている…のはもしかしてフリだった?