「ねぇ、ワタクシとあの子とでどちらが美しいのかしら?」
あの子というのは彼の婚約者に値する者。
聞かなくてもわかるけど、あえて聞いてみる。
彼はワタクシの手を取り、口づけた。
「レミリア様ですよ」
ちゃんと目を合わせて、言葉を聞いてくれた日からワタクシの虜になったの。
ウフフ…欲しい物が手に入れられて気分がいいわ。
ただ一つ、今朝にワタクシの物にしようとしたけど、できなかった人がいるの。
オレンジ色の髪の目つきの鋭い男の子。
こんなの初めてよ。
……あの方に聞こうかしら?
今頃はワタクシの寝室にいるだろうし。
ワタクシは彼の唇に自分のそれを押し付けた。
ご褒美としての意味もあるし、退室の意味もある。
彼の背中を見送りワタクシ(もうワタシでいいわ)は寝室の扉をあげた。
広い部屋に生活に必要は道具が全て揃っている。