〈side. Remiria 〉
コツリコツリと靴を鳴らし寝室に向かう暗い廊下を歩く。
それにしても、マリーヌの怒りに歪めた表情は滑稽だったわ。
クククッ笑い声を漏らしながら歩く。
次に身体に通ってきたのは憎悪。
遣いの者は大抵平民がやるものなのに、あの女何者?
"レイ"って世界に何人もいるの?
あー…ヤダヤダ、あの憎い、レイリアの顔が思い浮かぶわ。
本当はあの時王族の権利剥奪してやろうかとしたけど、レイリアを支持している人に恨まれかねないもの……。
ワタクシの前に一人の使用人が歩み寄り、跪いた。
「お疲れ様です」
この使用人は平民の中でかなり顔が整っていたから雇っちゃった。
フフッ、でも最初は彼は婚約者がいるからと言って丁重に断ってきて、
だからニコラスに頼んで無理矢理つれてきたの。
そして、ワタクシの言葉で…従順の使用人ができたわ。