すぐに背中に感じる、暖かいぬくもり。
「……姫、抑えてください」
そこで抱き締められたんだと気づく。
……感情的になる度に魔力を放出してしまうクセをやめなきゃ。
ダァチの腕にそっと手を添えた。
「……うぅ」
「ニーナ…ちゃん!」
横を見るとよろめいたニーナをナルシスが支えていた。
――ダンッ!!
「…………なんなのよ」
低い声を発したレミリア、テーブルはフォークが突き刺さっていた。
「今朝の女といい、マリーヌといい…感情によって膨大な魔力を放出して、ワタクシをあざ笑ってるの!!!」
「!?」
レミリアの目が…黒く染まっている。
憎しみを込めた眼差しであたしを見据えていた。
「……」
ダァチがあたしを後ろに引き、前に立つ。
「……ウフフ、そんなに警戒心露わにしなくていいのに」
ニヤーと口角をあげた。