「姫だからとかで理不尽だわっ!」


ハァと息につき、落ち着こうとワイングラスの水を飲み干した。


すぐにニーナが注ぎ足したが、手が震えていたためグラスから零れ落ちた。


動揺する程レミリアの言葉が恐ろしいのだ。


"千年の儀"が失敗に終わると世界が闇に染まり、世界が滅びる。


水が涸れて、草木が枯れる…生き物も死に至り、人類も死んでいく。


数千年前、実際に滅びかけたことがあるのだ。


それをわかっているのかな。


「そんな顔しないで? 当日には皆を驚かせてあげるんだから」


ワインを片手にニコリと笑った。


「……」


信じることができない。


「……それと、彼を殴ったのは悪いと思っているわ。 でも、ワタクシはわるくない」


「……!」


なにこの開き直り方!?


「姫、ダメですっ!!」


「!」


我に返り、見るとダァチの横顔が近い。