「……話してくれない? あたしからの質問のいい加減な答えと、一人のケガについて」


「あの子、正直に話したんだ」


あの子呼ばわりとは気づかなかったんだろう。


「そうよ。 レミリア…本当は出せないんじゃないの?」


レミリアの動きが一瞬固まった。


「…………根拠は?」


レミリアが俯いたまま聞いてきたからどんな表情かは読み取れない。


「さっきから見て、レミリアの魔力が少なすぎる。 "アレ"を召喚するには多くの魔力が必要なはずよ? けど抑えているとは思えないわ」


「……」


レミリアは沈黙を通す。


「……ご心配無用。 ワタクシ本番にかけるの」


――ガタンッ


「ぶっつけ本番って聞いたことはないわっ! もし、失敗したら「しないわ。 だってワタクシは選ばれた姫だもの」」


感情的になったあたしをなだめるかのようにレミリアの穏やかな声が場に響く。