けど、貴族がどこかにいれば次第に魔力の反応も少しずつ察知できる。
実はダァチは貴族がいない村で育ち、ノースト国の首都(城が建っている所)にきたワケで、
それなのに……。
「ゔーん」
「姫、どうしました?」
あたしの顔を覗き込もうと顔を近づけてきた。
「っ!」
灰色の目が私を写す。
まつげが長くパーツの整った顔立ち。
近くで見るとホントカッコイい。
ダァチを連れてどこかへ行くと、女性はすぐに釘付けになる程だ。
「姫、顔が赤いですけど気分がすぐれないのですか?」
……ま、少し抜けている所がアレだけど。
不覚にもときめいてしまったわ。
あぁ、自身を殴りたい。
――ゴンッ
「いたっ!!」
さすがに自身を殴るのは姫としてあるまじき行為のためダァチの頭を叩く。
ダァチは頭を押さえ目をパチパチさせていた。