「あ、あぁ……」


スージーさんは剣から手を離しへたり込む。


ダァチさんは髪留めを横に払い、私から離れた。


すでに冷めた目ではなくなっていた。


「驚かせてごめんね。 髪、すぐに戻すから後ろを見てくれないかな」


「は、はい」


袖で髪留めを拭いながら言う。


ダァチさんは器用でマリーヌと私の髪をセットしてくれた。

一分も経たないうちに完了。


「……あたしらだけで行こうか」


いまだに放心状態で動けないスージーさんを見て、マリーヌは呆れながら私達を見る。


「場所は変わってなければ分かるから」


と言い、先に歩き出した。


「姫、待ってください!」


ダァチさんも後を追いかける。


「さすがダァチさん! 一切の無駄がない動きで相手を圧倒するなんて!」


私も興奮気味のナルシス君をなだめながらその後に続いた。


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