――カツンッ
革靴を鳴らす音が聞こえた。
王宮に入る入り口の前で立っているひとりの剣士。
長身に細すぎる身体にマントを羽織っている。
「ようこそおいでになりました、マリーヌ様ご一行。 私はレミリア様の専属騎士である、スージーと申します」
頭を下げメガネをクイッとあげる。
「わざわざお出迎えありがとう。 では、案内してくれるかしら?」
私達は王宮に入った。
話し合いの場に向かうために私達は階段を使い、長い廊下を通る。
歩いている順はスージーさん先頭にマリーヌ、ダァチさん私達。
"使用人役"としてだから当然の事かもしれない。
「……」
さっきから気になる。
スージーさんがチラチラと落ち着きがないようで後ろを見てくる。
それも、見ているのはどうやらダァチさんであって……。
まるで敵対視しているようだった。