「ちっ、しがみつくなっ! 弱者のクセに!」


「ぐっ!」


僕は再び地面に転がった。


「止めてぇ!!」


「死ね」


男が杖を振り上げ……。


「……上級の段、アクア・ムーブ・オーディション!!」


男よりも唱えるよりも先に…高速な大量の水が襲いかかった。


「なっ…うわぁあっ!!」


そのまま男は呑み込まれ、遠くの岩にぶち当たった。


「いやー、あたしらが乗っていた馬車も同じく襲われてさだいたい蹴散らして来てみると…こっちの方が大変だったね」


ニコッと笑っているミス・レイの足下には男達が倒れていた。


「レ、レイちゃん!」


「……あの男ナルシスに致命傷負わせたうえにニーナを殴ったのか。 許さない」


僕らを見て、ミス・レイはスッと真顔になり、


「ニーナ、治癒魔法できる?」


急な変化にニーナちゃんはコクリと頷いた。


・・・・・