「も少しいたぶってから殺したいけど…"彼女"の命令だから、さ」


「……っ」


「……一瞬で終わらせてあげる」


僕…死ぬかも。


ゆっくりと目を閉じる。


だが、何もこない。


――ドンッ


「うわっ!」


頭から足がどけられ、何かが倒れる音が聞こえた。


「ナルシス君!!」


すぐに肩を揺すり、僕の名前を呼ぶ声が。


「ニー…ナ…ちゃん」


「待ってて今、治癒魔法かけるから!!」


泣きながら杖を手にし唱えるため口を開く。


――バキッ


「ぅぐっ!」


「……ボクを突き飛ばすとはいい度胸してるじゃないか」


男は青筋を浮かべた表情でニーナちゃんを殴りつける。


「女がっ、ボクをっ、突き飛ばすっ、とはっ、な!!」


「い゙ぎっ!!」


「っ!?」


ドガッバキッとニーナちゃんを殴りつける男に痛むからだを引きずりしがみついた。