`ギャアアアアッ!´


悲鳴をあげ、逃げ惑う男達の背後を人ほどの大きさの火の玉が追いかけていた。


「フレイムっ!」


「わかってる! あたしらが乗っている馬車から離す為よ!」


「くそやろうがぁ!」


「いでよっ! ブロンズ・ゴーレム!!」


杖を振り、数体を作り上げた。


――ドゴッ


「ぐはぁっ!」


僕のゴーレムがドアに手をかけた男を殴り飛ばす。


「ナルシス君ー、やるー」


アースはニコニコと外の様子を見ていた。


「ソイル・ハンド!」


ニーナちゃんは土の手により男達の足をつかみ動きを止めた。


これで男達の残りの人数も二十から七人位となった。


「このまま…イケるっ?」


誰もがそう確信した。


だが、


――ズパンッ


何かが切れる音が聞こえ、見ると馬車の真ん中から切目が入っていた。