「……こんな状況なのに呑気に寝てるし」


僕の隣のフレイムがリーフをつつく。


「……フーちゃん止めぇ」


寝言に近い声をあげた。


暫く経ってリーフをつつくのを止めたフレイムは、僕の肩に頭を乗っけてきた。


「っつー事であたしも寝るわ。 支えよろしくっ!」


あ、寝やすい高さだ、と呟いてすぐに寝息が聞こえてきた。


ますます動けなくなったな。


「ねーねー」


フレイムとは反対側に座るアースに声をかけられた。


「……なんですか?」


起こさないようにゆっくりと首だけを動かし、アースを見る。


アースはニコニコしていて、


「なんかー楽しいねー」


と、この場違いな事を言った。


「……そうですね」


脱力感を感じヘニャァと笑った。


その瞬間、


――ガタッ


ガタタンッ


馬車が急停止したのだ。