〈side. Narushisu 〉
「だーかーらっ魔法書を私にお渡しなさいなっ!」
「だ、だめだよー」
馬車の中で喧嘩が勃発していた。
向かいの席でアクアがニーナちゃんの手に持っている物を取ろうとしている。
それはミス・レイが持っている魔法書だ。
「ア、アクア…も、もう、そのっ…辺にし、しておいっ、たら?」
「そうだよ。 馬車の中で騒ぐのはどうかと思うよ」
ウェンディの後に続くようにアクアをなだめる。
その時、頭を動かさないようにしながら。
「うるさいですわねっ! アンタ、リーフを落としたらただじゃおきませんわよっ!」
「わかってるよ。 後、アンタじゃなくて…何でもないです」
アクアに睨まれたためこれ以上言うのはやめておく。
「ぅにー……」
僕の頭の上でリーフさんは寝返りを打った。
この中では人型ではなく、馬車に乗ってすぐに寝始めてしまった。