「ど、どうしたの?」
「…………眠気を覚ますためにやったことだ」
本当の事はいえるわけ無い。
「眠かったら寝ていいよ?」
「いや、今ので目覚めた」
「……そう」
レイは再び窓の外に視線を移す。
マリーヌの方は今ので落ち着きを取り戻したようでレイと同様に外に目を向けた。
――トントンッ
俺の隣に座っているロイドが俺の肩を叩く。
「リュウキ……」
「?」
名前を呼んでから俺の耳元に顔を近づけ囁いた。
「――――」
「……っ゙、がはっ!」
レイに訝しげに見られたのは無理もない。
ちなみにロイドが俺の耳元で言ったのは、
『お前、イヤラシいな』
だった。