〈side. Ryuki 〉
――ガラガラガラッ
ガタンッ
「きゃあー♪」
馬車が石を道の悪い所を通る度、大きく揺れ、
向の席に座っているクリルがダァチさんに抱きつく。
……わざとらしいほど。
「いやー馬車なんて何年ぶりだろ?」
俺の隣に座っているレイは楽しそうだ。
そんなレイはいつもの格好ではない。
襟高い白シャツに青鈍色の上着、後ろが長く二つに分かれていて、肩にはヒラヒラみたいなのがついて、右肩から左腰に向けて太いヒモみたいなのが続いている。
下に白のズボン、茶の膝下ブーツというスタイルだ。
俺らは今イースター国に馬車で向かっている。
馬車は一台につき六人だが俺らは八人+五。
五は精霊達の事。
さんざんの話し合いの結果、ニーナとナルシストには別の馬車に乗ることになった。
精霊達は人型になったため一人オーバーだがなんとか乗ることができた。