「「……」」


ナルシストはここに置いていく。


どうせすぐに目を覚ますだろうから。


「おい」


俺が声を掛けるとニーナの肩が震えた。


「レイ…ちゃんだっけ? すごかったね」


尊敬の眼差しをトンネル内に向けて軽く頬を染めている。


「……そうだな」


俺は肯定しておきながらレイに対して違和感を感じていた。


あの時の水統計の技の威力が半端なかった。


それに初歩(級)の段しか言ってなかった気がする。


「あいつ、どんだけの魔力持ってんだ?」


いや、最初の霊力もか。


俺の呟きは風にかき消されてしまった。