「姫って……」
「マリーヌ様ですよねっ!」
「……そうです。 いつの間にか、王宮内からいなくなっていて…先程この学園に入っていったと聞いたので……」
申し訳無さそうに言うその人は、やはりアレンさんに似ていた。
……てか、誰だっけ?
無意識に首を傾げたらしい。
その人は右拳を左胸に当て、頭を下げる。
「僕は"ダァチ"と申します。 姫…マリーヌ・ノースト様の専属の護衛をしております。 以後お見知り置きを……」
「……こんなバカのためにわざわざ自己紹介をありがとうございます。 ダァチさん」
ロイドも頭を下げる。
「バカはいくら幼なじみでも言い過ぎるぞ」
「……一般常識かけてるよな」
「リュウキ、授業中こっそり寝てるもの」
三人して……。
俺はふてくされ、そっぽを向いた。