「たかが仮説だろぅ! 凄腕の剣士なんざどこに「……いるぞ」」
俺の言葉を遮りロイドは言った。
「「えっ!?」」
「ロイド君、本当なのっ!?」
三人の目がロイドに集中する。
「……多分、"あの人"だろう」
「"あの人"?」
「ほら」
ロイドの見つめる先を辿ると、人がこちらに向かって歩いてくる。
その人は誰かを捜しているようで首を左右に動かしていた。
「「「……あ」」」
黒髪のくせっ毛に灰色の瞳、細身の高い背にあった騎士服。
腰に下げた剣。
見た目は違えども、アレンさんの面影がある。
「「「「……」」」」
その人が俺らの前に立ったとき、確信した。
この人がアレンさんの"生まれ変わり"なんじゃないかと。
その人は苦笑いを浮かべ、
「すみません。 姫を見かけませんでした?」
と聞いてきた。