なんであんな"恐ろしい"ものと……?


『……困っている人を助けなさい…………力を制御できるようにしなさい……』


おじい様が言ったのは……それだけ?


「……レイ?」


「っ!?」


――バッ


俯いた顔を覗こうとしてきたリュウキを突き飛ばした。


「なっ……!?」


地面にしりもちをついて怪訝な顔をしてきた。


「……あ、ごめっ……」


――パタッ


「……え?」


――パタタッ


目から流れる大粒の涙。


「…ぁ……う……」


数歩下がって座り込み、顔を押さえた。


道行く末に出会う人々、その多くが善良な人達、そうでない人達がいた。


旅を始めて、学んだことだ。


仲間だっていた。


目的地に着くまでの集団契約、その中に利用しようと企む奴もいた。


何回も裏切られた事もあった。