「貫けっ!」


氷矢が次々とゴーレムを貫き通し、地面に崩れ落ちる。


「ひっ!!」


――カカッ


その内ナルシストの服をトンネル脇の壁に縫い付けた。


大の字となったナルシストは動けない様子。


「なっ…早く解いてくれ!」


「条件呑んでくれたらいーけど」


土と成り変わったゴーレムの上を歩きレイはナルシストに近づく。


「そ、それは、な、何だい?」


「リュウキの妹に絶対近づかないこと」


顔を近づけてニッと笑う。


「な、なぜ部外者の君がそんな事を言うんだ!?」


「残念ながら、これから部外者では無くなるから」


――カッ


「!?」


ナルシストの顔面横にスレスレに氷矢が。


「従わないと……顔、大変な事になるよ」


「わかった! 今、条件を呑んだ! だからっ……」


蔓延の笑みを浮かべたままレイは魔法書を閉じると、氷矢が溶けて水となった。