「俺ら…レイの所に行こうしてたから」


「あ、ありがとうございます!」


メイドは頭を下げて行ってしまった。


「……」


――トンッ


「……振られたな」


「その前に告白されてなんかねぇよ!」


……あぁ、一瞬胸をトキメかした俺を殴りたい。


「……」


「……泣くな、引くぞ」


「引いている時点で言うなっ!」


振るった拳をロイドはあっさりとかわし、


「……ここで道草をしている場合ではないだろう」


逆に顔面ギリギリに拳を突きつけられてしまった。


「……ふ、二人とも、ここで喧嘩している場合ではないよ!」


ニーナがオロオロしている。


「……わかってる」


「……ふん」


互いにぷいっと顔をそらした。