〈side. Ryuki 〉
ルーチェリー学園に戻った頃には夕食は既に終わっていた。
それでも、俺らは食堂に行き料理長に頭を下げて余り物のシチューを食べた。
お互いに無言で食事を終え、席を立った。
『……何者かは学園に戻ってから答えてあげる』
そう言ったレイは笑顔だった。
微かに引きつらせてだが。
「……あ、あのー」
不意に声を掛けられて振り向くと給仕係のメイドが。
「……何?」
「……こ、これっ……」
手には包みを持っていてキレイにラッピングが施されている。
俯き、俺の前に出すと、
「……レイさんに渡して貰えませんかっ!」
ガクッとずっこけてしまった。
それに気付かないのか、
「……レイさんに頼まれたんですっ! でも、今日は来れないなんて知らなくて……だから……」
「……わかった」
「本当ですかっ!」
嬉しそうにメイドは笑う。