「さっきから聞いてりゃあ…腹立つことばっかり。 あんた名前は?」


レイがを見据えると、ナルシストはポッと顔を赤らめた。


すぐさま髪をかき揚げ、


「美しいレディに名前を聞かれるとは…そんなに僕に惚れたのかい?」


「まさか。 あんたに惚れるとか無いわ」


レイは呆れたかのように腰に手をかける。


「ふふふ、いいだろう。 僕はナルシス・ゴート、麗しき陶芸家さ」


決めたとばかりにポーズをしている。


「ナルシス…ナルシスト……っ!」


レイは口を押さえて肩を震わせている。


……そこ、笑う所か?


「君、いくら自分が美しいからって僕の事を馬鹿にしていないかい?」


「まさか。 あたしが美しいとか、あんた目悪いんじゃない?」


ハァとわざとらしく溜め息をつく。


その発言に頭にきたのかナルシストは杖を振り上げると、


「ソイル・ボール!」


と唱えた。