「……」
そこから食事を終えたからかじっと店長を見ている男。
「三日間で金貨五十枚分、今度こそ払っていただきます!」
「……」
「聞いてますか!?」
「……」
――パシッ
男は無言で料金の書かれた紙を奪い取る。
それをくしゃくしゃに丸め、口の中に放り込んだ。
「……なっ!」
店長目を見開き唖然としていたが、次第に肩を震わせ、
「ちょっとなにをして……!?」
男につかみかかろうと伸ばした手を逆に掴まれ、男は立ち上がる。
そして、影から出てきた手は男の肩に体中に纏わりつき……
“オマェ…ゥマソウ”
「……ひっ!」
ニタリと不気味な笑みを浮かべ手を口元に運び……
「……はぁっ!」
――ゴッ
あたしは渾身の足技を男のこめかみにくらわせる。
そのまま男は入口の前まで吹き飛んだ。