〈side.Rei 〉

「……――あ」


すっかり忘れていた。


手には20センチの杖が握られている。


あたしは杖なんか使わない七年前に契約を解除したから。


「……ま、明日返せばいいか」


多分今頃自身の部屋でパニックを起こしているだろう。


……この時、リュウキの頼みによってロイドの魔法により探し当てられるなど考えもしなかった。


そんな事はつゆ知らず、あたしはとある店の中に入った。