「生きてて楽しい?」

深く深く、胸の奥を揺さぶる問いかけ。

なんで。なんで。
素直に頷けないんだろう。

「楽しくないこともありますよね」

そう言って悠弥先輩の方に向き直る。
何かあったのかな。
笑ってる悠弥先輩しか見えなくて
完璧な人だと思ってたから
人間的な部分が見えてなんていうか。

私と一緒なんだって。

「俺が死んだら誰が悲しむんだろな」

笑いながら言う悠弥先輩は
どこか寂しそうで哀しそうで。

「そ、そんなこと言っちゃだめです」

思わず2、3歩踏み出してしまった。
無言のまま私のほうを見る悠弥先輩。

「私が、悲しみます」

悠弥先輩を見つめ返した私の目は
少しだけ涙で潤んでた。