「それでも、訊いたんだしょ?そのカオ、使って」

「・・・・・・アイだって、おんなじ顔でじゃん」

「例え同じオンナで、同じ顔でいくら似てたって、性格がオトコみたいだったら、ユイみたいになれないから」



一卵性双生児。
女と女。
卵が一緒で、顔が同じ。親しか区別がつかない。でも性格はまるで違う。


───けれど、それも中学までのはなしだ。


私は雪で少し濡れた長い前髪をかき上げた。


「アイ、髪、切らないの? またボサボサになってきてるよ。それに、その眼鏡もいい加減やめたら?」

「話をそらすなよ。 メ・ア・ド!」

「・・・・・・分かったわよ! でも絶対に! ぜーったいに変なことに使わないでよ?」