「友衣(ユイ)、お前だろ」

「ちょっと愛衣(アイ)! ノックくらいし・・・・・・」

「しらばっくれるな! お前以外にこういうことできるやつなんか、いないだろ」

「あれ・・・・・・なんか、怒って、る?」


ちっとも悪そうな顔をしないで、上目遣いで見上げるその顔で何人の男を騙してんだか。

テレビ画面からは3人の男のダンス姿と一緒にあの曲のサビが流れてくる。そのことが私の神経を逆撫でした。


「これ、どういうことか説明して」

「なんのこと、かなあ。ユイ、わかんない」

「ふざけんなっ!」

「・・・・・・もう! 分かったよ! 3ヶ月くらい前に、辞書を借りようと思ってアイの机の引き出し開けたら見けちゃったの」