「あっ!ちょ、ちょっとアイ!うわあぁぁぁ!」
こけそうになっても、ユイの背中を押すのを私はやめなかった。
ユイが部屋を出ると同時に、思いっきりドアを閉め鍵をかけた。
「アイ!?アーイ!?」
ドアの向こうからはユイの声が聞こえてくる。
私はドアの前でうずくまり、溜息をこぼした。
ユイを部屋から追い出したのは、一人になりたかったからだ。そうでもしないと、自分がおかしくなってしまうと思った。
「頼むから、ほうっておいてよ・・・」
もう二度と思い出したくない、誰にも、わずらわされたくない。
そう思っていた。
いつの間にか外も暗くなっていた。
真っ暗の部屋の中。小さなうめき声が部屋中に響いた。