思い出したくない人の、思い出したくない台詞が脳裏を掠めて、かき消すように強く頭を振った。

やっと高校からユイと離れられたんだ。もう考えないようにするって決めたんだから。

容姿なんて髪型や雰囲気で、いくらでもごまかすことができる。今の私は、なんの手入れもしていないボサボサの黒髪に黒いフレームの眼鏡をかけて、できるだけユイとイメージが重ならないように心がけている。

中学までは強制的にユイと同じ学校だったから、高校は猛勉強して親を納得させ私立の名門校に進学した。