『妬きもち』なんて──。
妬きもちなんて、妬いたりはしない。
何故なら、彼は私の物ではないから。
私自身もまた、彼の物ではないように。
彼の回りの出来事に対して、私は妬きもちを妬く権利を与えられてはいないのだ。
だから私は、愛の言葉を囁いたりはしない。
好きだとか、愛しているとか…淋しいだなんて言葉は言わない。
そんな私の言葉で、陸に足かせを付けてしまう事が怖いから。
私は私のありふれた感情で、陸を縛りたくはない。
陸を愛した瞬間から、私はそんな思いで自分自身の心に鍵をかけた。
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