ほんの少しだけ照れたようにと微笑むと、陸はもう一度私の首筋に顔をうずめて耳元で囁いた。 「ななは、もっと好い(いい)匂いがする。」 そして、そのまま優しく首筋にキスをした。 「陸、くすぐったい。」 形だけの小さな抵抗をしてみる。 それからそっと目を閉じると、陸の唇の動きに集中した。 * * *