陸は、私が今まで出会ったどんな男よりも魅力的で興味深い人だった。 滲み出る優しさや、その整った外見もさることながら、彼の持つ独特の世界観は、私の心を捕らえて離さない。 普段の子供のような言動と、時々見せる真面目で淡々と語る大人な一面のギャップに、私は完全にやられてしまっていた。 一見すると軽薄にも見えるこの男に、意図も簡単に恋をしてしまったのだ。 それは自分でも予想もしない事だった。