陸の部屋ではゆっくり、ゆっくりと時間が流れた。 いつもの香りに包まれながら、私はお気に入りの場所に寝転ぶ。 ここから見渡たせる全ての物が愛しいと想えた。 何時しか私も、この部屋の一部になれたら…。 ここに在ることが当たり前のように。 今日もポストを覗いてみたけれど、私宛ての手紙は届いてはいなかった。 陸の帰りを待ちわびながら、陸からの手紙を待ちわびている。 待つことしかできない事が歯がゆかった。