それから私はいつものように
遥か遠くを見つめた。


…あの人を想いながら。


そして、私は一人こっそりと泣く。

毎年12月24日のクリスマスイブには
一人でここにやってくる。

いつかまたあの人に会えると信じて。

私はあの人に会いたくて
ここへやってくる。

ここへ来るとあの人に
会えるような気がするから。

私は首にかけていたネックレスを
ぎゅっと強く握りしめた。

季節外れの海岸は風がとても冷たく、なおかつ一人だから余計に寒さを感じた。

でも、私はどんなに風が強くても、どんなに雨や雪が降っても、どんなに自分が苦しくても、絶対にここに来るとあの日この場所で硬く誓った。




…会いたい。