それにさ

私まだあなたの名前
知らないんですけど?!

いつになったらあなたは
名乗るんでしょうか?!

私から言わないとあなたは
気づかないんでしょうか?!

あなたそれでも教師ですか?!

私は内心とてもイライラしていたけど
初対面ということもあって
そんなにガツンとは言えなかった。

まぁ、一応相手は教師だしね。

ここは大人しくしとかないと。

それから、私は気持ちを
落ち着かせようと深呼吸をした。

「あのぉ〜、先生?私まだ先生のお名前を聞いてないんですけど〜、いつになったら教えてもらえるんですかね〜?」

私はたっぷりと嫌味をこめて
黒い笑みでそう言った。

「あ、ごめんごめん!すっかり忘れてたわ。俺の名前は【遠山 哉太(トオヤマ カナト)】だ!みんなからは“かなちゃん”と呼ばれている。だから、愛海もかなちゃんでいいぞ!」