だって

先生って普通
あんなにもたくさんピアスする?
金色のネックレスつける?
腕にたくさんのブレスレットつける?

私は不審に思いながらも
その男の人のところまで行った。

「いや〜、ごめんごめん!音楽聴いていたから全然声が聞こえなかったんだよ!すまなかった!」

そう言って頭をかいた。

よく見ると、たしかに男のひざには
イヤホンが転がっていた。

何なんだこの教師は。
こんなんでよくクビにならないな。
ってか、よく教師になれたな。

私は半ば呆れながら
内心早く帰りたいとイライラしていた。

「あの…編入試験受けに来たんですけど、どこでやるんですか?」

「編入試験…あぁー、テストを受けに来た女の子か。」

そう言うなり、男はこっちにイスを
回転させて体を正面に向けてきた。

「あのさー、テストするのめんどくさいじゃん?だからさー、テストは無しっていうことで!理事長からは俺が言っとくんで、心配はしなくてもいいよ!しかも、女の子だから理事長も絶対に許してくれると思うし!」