僕はライオンのくせに泣き虫で、みんなにバカにされている。


夜になると、僕たちぬいぐるみは月の光のお陰で自由に動き回ることができるんだけどね、そのとき、みんなが僕に向かって言うんだ。




『なーきむしーっ!』って。




だけど、そんなことを言ったぬいぐるみたちは、もういない。


なんでかというと、このおもちゃ屋さんには、僕だけ売れ残っているからだ。


お店の男の人は、『閉店しようか』と言っている。


僕は夜、『“へいてん”ってなに?』って、空を飛んでいる鳥に聞いてみたんだ。


そしたら、『そのお店がなくなるんだよ』だって。


……そんなことになったら僕、これからどうなるんだろう。


一人ぼっちのまま、捨てられちゃうのかな?


そんなことを考えると、涙が出てきた。


こんなだから、泣き虫って言われるんだ……。