みゆちゃんは目をまん丸にして、僕を見ている。 “あ り が と う” ──大好きだよ。 それは、言えなかった。 時間切れだった。 「……ポチ……ありがとう…」 みゆちゃんは、そう言うと、僕がずっとずっと見たかった笑顔を浮かべてくれた。 そして。 「大好きっ、ポチ」 僕が言えなかったことを、みゆちゃんがそのまんま伝えてくれた。