『もしもし、何の用?』
私の愛しの彼、海斗の声。
「んー、暇だから電話したのー」
『お、嬉しい。
けど、ごめん、俺今ばあちゃん家なんだわ。ちょっと今から出掛けるから、ごめん。明日帰るからまたその時に』
「えっあっうん、了解」
『んじゃ』
…切られてしまった。
にしても、いつもは私が切るまで待っててくれるのに。
また、私の耳に聴こえるのは、蝉の鳴き声だけ。
なんだか、虚しくなった。
「まぁ、一日だけだもんね。
明日帰ってくるって言ってたし。」
そういい、私はテレビをつけて特に見るものもなくボーッとしていた。