ジュリアとエヴァンに手を振り、カーシーは校舎の外へ行った。
 図書館へ移動することに決めて、上の階まで進んだ。

「最近どうだい?」
「最近?新しい服屋が開店されたみたいだから、時間があれば行こうかな?」
「あ、あのさ・・・・・・」

 ジュリアの答えがおかしくて、エヴァンは笑った。

「どうしたの?」
「違う、違う、そうじゃなくて・・・・・・元気そうだから、安心したよ」
「エヴァン、大切な話があるの」
 
 ジュリアは前から話そうかどうしようか迷っていたことについて、話そうと決意をした。
 全部話し終えると、ずっと前にウィルに話したときのようにエヴァンはウィルと同じ表情になっていた。

「今まで記憶喪失だったのかい?」
「過去の話じゃない」

 現在も完全に記憶が戻っていないことを教えた。

「だから力を使っても、変化がなかったのだね?ジュリアが元気になると思っていたのに・・・・・・」
「エヴァン、ごめんなさい!」

 いきなりジュリアが頭を下げたので、エヴァンは動揺した。

「何の謝罪だい?ジュリア」
「私のせいでエヴァンを危険な目に・・・・・・」