「カーシー!」
「ジュリア!久しぶりだね。元気にしていた?」
「うん。少し前までは忙しかったけどね」

 ジュリアはカーシーにギャレットがエヴァンにかけた呪いについて話を聞かせてほしいことをお願いした。
 これはジュリアがずっと気にしていたこと。

「どうしてちょうどいいタイミングでエヴァンが呪いをかけられる夢を見たの?」
「偶然だよ。偶然」

 正直偶然なんて、ジュリアは思っていなかった。

「そうなの?」
「うん。俺だって、誰かに夢を見せるだけじゃない。自分も見ることはよくあるよ」

 夢族のカーシーもジュリアや他の者達のように変な夢や楽しい夢などを見ることがある。時には見たい夢を力で見ることだってする。

「その偶然のおかげでエヴァンが無事でいられたのね」
「そういうこと」

 ジュリアはエヴァンが無事であることに安心し、エヴァンを助けたカーシーに感謝した。

「エヴァンの話をしていたら、本人が来たね」
「エヴァン!」

 エヴァンはジュリアの後ろに立っていた。

「カーシー、ちょっとジュリアを借りてもいいかい?」
「いいよ」