すると、物音一つないので、そっと目を開けると、ギャレットはケネスに首根っこを掴まれている。

「お前は・・・・・・」
「ケ、ケネ・・・・・・ス・・・・・・」

 ギャレットが苦しそうにしていても、ケネスはまだ掴んだまま。
 もう許すようにジュリアがケネスにお願いしたので、やっとギャレットは息ができるようになった。

「死ぬかと思った・・・・・・」
「お前はそれでも従者か。本当に情けない・・・・・・」
「もちろん!この子がいつでもどこでも安全でいられるように気をつけているよ」

 最も危険なのはギャレットであることをジュリアとケネスは心の内で言った。

「今度やったら、ここから追い出すからな」
「嫌だよ」
 
 ギャレットもずっとジュリアと一緒にいたいことを告げる。

「絶対に追い出してやる」
「ジュリア嬢から離れる気なんてない」

 瞬間移動することができるので、ケネスに追い出されても、ギャレットは何度でも戻ってくるつもりでいる。

「もし、追い出すんだったら、ジュリア嬢も一緒がいい」
「何て言った!?」

 ギャレットがとんでもないことを言い出したので、ジュリアが声を上げた。