僕はゆっくりと自室を出て、階段をおり、リビングの扉を開ける。
――驚くほど、静かだった。
リビングはとても綺麗で……そうだな、ホコリが1つも無いんじゃないかと疑ってしまうほどに、綺麗に思えた。
キッチンにも目を向けるけれど、まるで長い間、誰にも使われていないような――。
「――うわああああああっ!!!」
無意識のうちに、僕は自分の頭を抱え込み、しゃがみ込みながら叫んでいた。
怖い。怖い。怖い。今日は六月一日で、今回もまたいつもと同じ六月一日が始まって、始まって……始まるのに!どうして?!どうして?どうして!どうして……違う?どうして、いつもと違う?お母さんはどこに行ったの?どうして部屋がこんなにも綺麗なの?誰にも使われていないの?どうして?怖い!いつもと違う六月一日(今日)が怖い!僕をいつもの六月一日に帰してよぉ……っ!!!
「四季ちゃん?!どうしたのっ?大丈夫?!」
近所の……お母さんと仲のよかったおばさんの声だ。玄関の扉の向こうから聴こえる。とても心配してくれているみたいで、声をかけながら扉を叩いている。
もう、なんだっていい。
僕は玄関の扉の鍵を開け、近所のおばさんに向かって抱き着いた。
――驚くほど、静かだった。
リビングはとても綺麗で……そうだな、ホコリが1つも無いんじゃないかと疑ってしまうほどに、綺麗に思えた。
キッチンにも目を向けるけれど、まるで長い間、誰にも使われていないような――。
「――うわああああああっ!!!」
無意識のうちに、僕は自分の頭を抱え込み、しゃがみ込みながら叫んでいた。
怖い。怖い。怖い。今日は六月一日で、今回もまたいつもと同じ六月一日が始まって、始まって……始まるのに!どうして?!どうして?どうして!どうして……違う?どうして、いつもと違う?お母さんはどこに行ったの?どうして部屋がこんなにも綺麗なの?誰にも使われていないの?どうして?怖い!いつもと違う六月一日(今日)が怖い!僕をいつもの六月一日に帰してよぉ……っ!!!
「四季ちゃん?!どうしたのっ?大丈夫?!」
近所の……お母さんと仲のよかったおばさんの声だ。玄関の扉の向こうから聴こえる。とても心配してくれているみたいで、声をかけながら扉を叩いている。
もう、なんだっていい。
僕は玄関の扉の鍵を開け、近所のおばさんに向かって抱き着いた。