7時19分になったらまたお母さんが「四季!本当に遅刻しちゃうわよー?」って話し掛けてきて、7時31分になったら「まだ寝ているのかしら」って呟きながら2階にあがってくるんだっけ。

 今までの六月一日に、幾度か風邪っていうことで学校を欠席したけど、家にいたってなんにもやることは無いからなぁ……。

 でも、いいや。今日はだれとも会いたくない気分なんだから、家の中でゴロゴロとしていよう。

 欠伸を1つ、口から漏らすと、1階からお母さんの声がした。


「四季!本当に遅刻しちゃうわよー?」


 ああ、もう7時19分になったんだ。時間が経つのははやいなぁ、まったく。

 そんなにはやく時が経ったって、結局僕は六月一日から出られやしないというのに。

 今まで……何度かこの六月一日から抜け出そうと足掻いてみたことはある。

 結局は無駄な足掻きで終わったんだけど。有力な情報は何1つ、手に入れることは出来なかった。

 たとえそれらしい何かを手に入れたって、次に目を覚ました時にはすべて元通りになっている。

 がんばって集めて1つにまとめた情報は、次に目を覚ました時にはすべて白紙に戻るんだ。

 はは、やってられないよね。