ふと、目を開けた。見慣れた天井が視界いっぱいにひろがる。
半ば諦め気味に、壁にかけている犬の写真を題材にしたカレンダーへと目を向けた。
……ほら。やっぱりだ。
――六月一日。
今日“も”僕は、“また”六月一日を過ごさなければいけないのだ。
これで何度目の六月一日だろうか。確か今回ので66回目だったと思うけど……いい加減、数えるのにも疲れてきた。
今日は何をして一日を過ごそうか。無意味に人を殺そうか。無意味に何かを盗もうか。無意味に飛び降りようか。無意味に意味もなく叫んでみようか。……そうだな、たまには無意味に学校の方に顔を出してみようかな。
ベッドの上から飛び降りた僕は、だらだらとたっぷりの時間をかけて制服に着替え、自室を後にした。
朝ご飯は口にする気分ではない……というより、食べてもまた六月一日のはじめに戻り、食したこと自体が無意味になるので、食べることも飽きてきた。
玄関で靴を履いていると、背後からお母さんが近付いて来るのが分かる。
お母さんの顔を直接、見たわけではないけれど、どんな表情をしてどんな言葉を投げ掛けてくるのか分かっているため、何も言われてないけど言葉を返す。
「朝ご飯はいらないから」
背後で何かを言いたそうにしているお母さんを無視し、僕は家を飛び出した。
半ば諦め気味に、壁にかけている犬の写真を題材にしたカレンダーへと目を向けた。
……ほら。やっぱりだ。
――六月一日。
今日“も”僕は、“また”六月一日を過ごさなければいけないのだ。
これで何度目の六月一日だろうか。確か今回ので66回目だったと思うけど……いい加減、数えるのにも疲れてきた。
今日は何をして一日を過ごそうか。無意味に人を殺そうか。無意味に何かを盗もうか。無意味に飛び降りようか。無意味に意味もなく叫んでみようか。……そうだな、たまには無意味に学校の方に顔を出してみようかな。
ベッドの上から飛び降りた僕は、だらだらとたっぷりの時間をかけて制服に着替え、自室を後にした。
朝ご飯は口にする気分ではない……というより、食べてもまた六月一日のはじめに戻り、食したこと自体が無意味になるので、食べることも飽きてきた。
玄関で靴を履いていると、背後からお母さんが近付いて来るのが分かる。
お母さんの顔を直接、見たわけではないけれど、どんな表情をしてどんな言葉を投げ掛けてくるのか分かっているため、何も言われてないけど言葉を返す。
「朝ご飯はいらないから」
背後で何かを言いたそうにしているお母さんを無視し、僕は家を飛び出した。