「信平!」
「なんだ?」
「今日の号外、配ってくれねえか?俺、用事あるんだべな」
「おう、任せとけ」
「そんじゃ、俺は帰るべ、片付けがあるんでな」
「じゃあなー」

ずっと変わらずに交わされている会話だ。

東京、とある街。


街の出来事

日本の事

世界の事

それを調べ皆に伝えるのが、我等白波新聞社の使命である。

俺、信平は自らここに入った。

最近は戦争がひどいらしい。

前よりもよく空襲警報も聞くようになった。

もしかしたらそのうち記事も書けなくもなるだろうな、とは思う。

だけど、最後まで伝えるのが我等の仕事だ。

自分に課せられた仕事を全うするのは、14歳の俺でも分かることだ。